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ホテル・ザ・ブドー [捏造◆作文]

逃避です、逃避。ちょいと湖北の宿から逃げてきました。
ああ、重~~~っ!!!(>_<) 
三温糖、投げ込んでも投げ込んでも、琵琶湖が飽和しない!(するかっ[あせあせ(飛び散る汗)]

というわけで、こんな何も起きず、誰も動かず、エロも皆無の
捏造があるか~~~っ!! という酷いネタをアップします。
そうです、要するに合田さん語りです。
合田さんの魅力と破壊力、恨み辛みを思う存分語ってスカッとして頂きましょう!

今回の語り手には、懐かしい森巡査部長を召喚しました。
何故か、森さんを呼びつけたら、有沢さんまでくっついて来ました(^_^;)
まぁ、お二方とも合田さんファンクラブ会員ナンバー1桁の強者だからいっか[黒ハート]
(……いいのか?)
***************************************



 “覗く鏡の中から常に美貌が見返すのに慣れているから、美形はなべて面食いである”

 こんな通説は正しいのか否か。森は知らないし、知りたくもなかった。自分には縁のない世界の話と、気に留めたこともなかった。
 ――合田警部補の下に配属されるまでは。


 ホテル・ザ・ブドー。自嘲混じりにそう呼ぶ者もいる、捜査本部が置かれた所轄署の武道場に、今日も一同雑魚寝の夜が更ける。
 過酷な労働環境は春夏秋冬、本部が立っていれば常に変わらぬこの商売の宿命ではあるが、日に日に影も血色も薄らいでいく上司のことが森の心痛の種だった。明け方は冷え込むだろうと毛布を一枚調達して持ってきてみると、横向きに丸まった合田の顔が薄い掛布から覗いていて、森は思わず動きを止めた。
 毛布を掛けて、せっかくの熟睡を妨げてしまうのを危惧して――というのは自分への言い訳だった。起きている時にはとても叶わないアングルで、無遠慮に、好きなだけ眺められる上司の顔から目が離せなかった。
 女が好む美貌とは違うと思う。甘さや華やかさは全くない。だが、見ているだけでため息が漏れるほど綺麗だ。それは、触れれば斬れる日本刀の切っ先や人慣れない野生の猛禽、あるいは登山者を寄せ付けない真冬の秀峰と同じ種類の美だと思う。摂理の宿る合理と整合だけが持つ、歪みを許さない研ぎ澄まされたうつくしさ。
 だが、その厳しさと禁欲によって超越した美は、多くの美と違って見るものを安らがせることはなく、追い詰め、息苦しくさせる。
 ――でも魅入られる。目が離せない………

 それにしても、目が閉じていると随分とキャラが違う。職務柄か真っ先に感じられる威圧感がほとんどなくなり、日頃はその影になっている知的で繊細な雰囲気や、顔立ちが本来持っている意外なほどの線の細さが目に立つ。畢竟、人の顔や表情を印象づける大半は目なんだなぁ、と感心する。
 拝命の挨拶をした初対面で一瞬のうちに森を強烈に捕らえた、他の誰にも似ていない、あまりにも印象的なあの双眸。何一つ見ていないように黒々と澄んで底知れず、見るものに一切頓着しない内面をそのまま表して、何を映そうがその目はさざ波ほども波立たない。そのくせ、対象をどんな微細なデータも逃さず分析し尽くそうとするかのように、凄まじいエネルギーと圧力とを照射する。
 澄み透ってその裡に何一つ揺らめき立たないのは、眸の中に合田というフィルターが存在しないからだ。対象を思い込みや先入観なしに、在りのまま純粋に捕らえようとする刑事の本能か、あるいは生まれついての適性か。それは分からないが、森はただ、綺麗だ、と思っていた。あの目に見られるのは痛快だ。
 合田の目は、万物をすべて等しく、ただ在るものとして視線に取り込む。捜査対象以外では、価値の上下もなければ、興味の強弱もない。
 森が自分の容貌へのコンプレックスから自由に解放されるのは、合田の視界の中にいる時くらいだった。合田の前では、自分は空や木々や雀と同じくらい無意味で、雨や雑踏や野良犬と同じくらいうつくしい。
 なんて楽なんだろう。合田の傍らで清々と息をつく時、初めて他の場所ではいかに呼吸に負荷を要するのかを知る。

 例外と言えば、合田の無口もまた貴重過ぎる例外だった。
 森も無口だが、上司も良い勝負の“口無し”だった。だがそれは苦痛を伴わない無口で、どれだけ上司との間に無言の時間が積み重なっても、森は何の痛痒も感じずに済んだ。
 森は他人の口先を信じない。さも汚らわしそうな、厭わしそうな目で森の貌を見ながら人権論者の口を聞く、行儀の良い、裏表を使いこなす技にばかり長けたスマートな市民にはうんざりだった。
 合田は、この点に関してもごく珍しい例外だった。合田の無口は、上に“雄弁な”という形容詞が付く。口より先に目が語る。思いがドッと溢れて目に迸り、だが、脳を介して口から出す前に、言葉への変換か、伝達への期待か、どこかの段階で諦めて黙り込んでしまう。
 内面と目が、希有なほどに能弁で素直。身を護る器用さは持たないくせに無防備に純粋過ぎて、この上司が無事に世渡りして行けるのか、余計なお世話、お呼びでないとは十分承知しながらも、森は心配で堪らない。

 個人的心酔から来る些か熱心に過ぎる(かもしれない)観察と分析によって、この極めて率直で寡黙な上司が、内心では自分のことを認めてくれたこと、褒めてくれたこともあるのを、森は知っている。時には意表を突いてやって驚かせるのに成功したことも、それを上司が密かに悔しがったり、意地になったりしていたことも、実はかなりの部分で森には察しが付いていた。
 非常にウザがられつつも――もしや似たところがある?――刑事としては上司は自分を買ってくれている。それがもの凄く嬉しい。あまり恵まれない人生を送ってきた森にとって、それは初めて味わうような幸せだった。
 この“殿”の下に付けるのが、自分のやっかいな体質のせいならば、初めてお陰を被ったというものだった。


 思わぬ役得への未練にケリを付け、森が漸う毛布を掛けたとき、その刺激でふいと意識が浮上したのか、目は閉じたきりの合田が「お帰り……」と呟いた。再び眠りに還る唇が零した吐息は、「ゆう…」と聞こえたような。森は慌てて意識を逸らせ、聞かなかったことにしたが、それでも罪のない寝言によって、心臓にズキイッ…と刺し込みが来た。
 “お蘭”は周囲からの厭味100%の押しつけだ。本当のところはヤッカミじゃないのか? と思わないでもない自分は、相当に熱狂的な合田信者なのかもしれない。
 皆が当然のように呼ばわる中で、唯一人“殿”本人だけは、決してお蘭と呼ぶことはない。
 小姓職は拝命させてもらえていない。合田に“私”の領域で世話役がちゃんと存在しているのは、以前から薄々察していた。
 ――くっそ。何で自分はこんな……
 泣こうが怒ろうが大して変わらない、身を鎧う分厚い無表情のまま、上司の傍らで凍り付いていると、
「よう、お蘭。さすがは気の利く忠実無比なお小姓だ。こんな真夜中までご苦労なこったな」
 無遠慮な声が掛かって、森は跪いた姿勢からびくりと飛び起きた。
「何してるんです、有沢さん。いったん帰ったんじゃなかったんですか」
 一瞬の狼狽の反動で、つけつけとケンカ腰に捻り付ける。
「ああ、ご帰宅遊ばされましたよぉ。だから男振りがいよいよ上がってんじゃないの」
 見れば確かに、服も着替えて、憎々しいようなつるりとした二枚目ヅラがサッパリと生き返っている。
「だが肝心の殿の意識がないんじゃ、せっかくのゴマすりの甲斐がないんじゃねぇのか?」
 さっそく意地悪のネタを見つけて、嬉しそうにつつき出す。現場でのキレ具合とは遠く隔たった、小学生の悪たれのような顔をして。色男が聞いて呆れる。
 だが、曲者揃いの七係の中で、有沢は見掛けによらずタチは良い方だ。それは承知していたが、根に悪意はないにしても、爪を隠したネコの手で面白半分に嬲られて愉快に思うわけがない。
 ふんっ、と鼻息一つで返して、もう構わずに武道場を後にする。合田のただでさえ少ない休養時間を、この馬鹿に乱されてたまるか。ところが、他の耳目のない廊下にまでついて来られたのは誤算だった。それでなくとも歯切れの良い有沢の声が、遠慮をなくしてさらに大きくなる。
「あのダンナ、別れた女房もどえらいシャンだったそうだが、未だにベタベタ付き合いを切らないその兄貴も、浮き世離れした薄気味悪いような美形で、検察じゃ地検源氏って名高いんだってよ。美形は面食いってなぁ、真理だな」
「何を聞いた風な口を。イルカは周りじゅう魚に囲まれてたって、パートナーにはイルカしか選ばないでしょう。面食い云々なんて、てんで的外れなんですよ」
 冷静に、容赦なくやっつけて、森は立ち去った。もうついて来るな!と見えない全身の毛が猛烈に逆立っているのを感じ、有沢は呆れて足を止めた。
 ――なんだ、つまらねぇ。

 カツカツと足音も高く歩きながら、森は遙かに言い足りない分を、まだ心中に罵っていた。
 別に、変な意味で好きなわけじゃない。自分に似合いもしない渾名をわざわざ付けて、皆が暗に何を揶揄しているのかなんて分かっている。
 だけど、あの人が痛々しい。不条理に飼い殺されて、檻の中で身食いする野生の獣を見るようで、痛ましくて気になって堪らない。それだけだ。
 捜査一課230人、あの人より刑事たるべくして刑事である人はいないのに。

 憤然と遠ざかる森を見送りながら、有沢は訳知りらしく、若い後輩を案じていた。とはいえ、世の中の何もかもが彼には笑いのめす対象であるかのような不遜な眼光は、およそそうした風には見えなかったが。
 あのなぁ、お前のその、恐らくは上司に関する割り切れない諸々だが。
 それにあと一つ、「相手のことを知りたい」「相手にも自分のことを知って欲しい」ってのが加わっただけで、コテコテの恋愛感情真っ逆さまだぞ。分かってるのか、あいつ。


 見た目は全く似ていないが何だか似たような匂いがする、憎たらしくも危なっかしい主従が、やっぱりちょっと気になる有沢だった。



                                                ◆おしまい◆
***************************************

会員ナンバーやっぱり1桁の秦野組長は、手を握るまでは果敢にしてましたからねぇ。
もうちょっと、森会員と有沢会員にも、何かやらかして欲しかったですが、
ノミの心臓な筆者の度胸が、おおよそ足りませんでした~~~(^▽^;)
ごめんなさいっ(o_ _)o[あせあせ(飛び散る汗)][あせあせ(飛び散る汗)][あせあせ(飛び散る汗)]

余談ですが、義兄が出演しなくてすっごい淋しい。涼しくも悪辣な美貌が恋しいわぁ。
地検源氏、チケンゲンジ。ぜんぜん回文にはなってませんが、結構気に入った( ̄ω ̄)

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コメント 4

コメントの受付は締め切りました
にきーた

一度は行ってみたい、夢の警視庁武道場!

突きをくらって倒れる合田さんが見たい。
疲労した体をひきずって仮眠しに来る合田さんが見たい。
でもここだけは、義兄すら立ち入ることのできない本庁の竜宮城ですね。
森くん、羨ましいぞ~。

「厳しさと禁欲によって超越した美」…げこさん、この言葉すごく素敵です。
合田さんの魅力を表してるのは、まさにこの言葉ですよね。
彼の持つストイシズムと表裏一体のエロチシズムが、周囲の男たちを
魅了してやまないのでしょう。
もちろん我々も!
あ~もし可能なら、一日でいいから森くんになって合田警部補と聞き込み
にまわったりガサ入れしたりコンビニで買ったおにぎり食べたりしたいよー(朝から何言ってるの、私w)

無防備な上司を思う森くんの心情に、読んでいてあごが膝につくほど
頷いてしまいました。
本当に今までよくやってこれましたよね、あんな組織の中で…(涙)

大人の余裕が見える又三郎もいいなぁ。
又さんには噂の「地検源氏」をじっくり拝む機会を与えてみたいです。
その後、義兄について一体どんな感想を言ってくれるかしらwkwk!

森くん、又さんだけじゃなく、七係の面々には是非合田さんをテーマに
座談会でもしていただきたいです。
匿名でもきっと誰の発言かわかるような気がするの、私…。


今年最初のコメントがこんなですいません。
年が改まっても相変わらずこんなですw 


by にきーた (2012-01-13 10:52) 

げこ

きゃうん、にきーたの奥さま(>_<)

恋しゅうございましたぁ~~~! 正月といい、冬休みといい、
恋路…違ったい! 腐れトークの邪魔をするブランクがなっげーなっげー!!!
やっと通常運転の日常に戻れてきたかな、って感じがします♪

突きで倒れた合田さん……け、剣道着だよな。着痩せしてるな。失神してんだよな。
きっと、紙のような顔色も痛々しく、竹刀でつつくと痩身がぐらぐら揺れちゃうんだな。
(どばーーー、鼻血ーーーーッ!!!)←朝っぱらから何を妄想しておるか(^皿^;)

合理と整合の合田。こいつも内心「ぷくくく…(^m^)」モンで気に入ってますが。
そうなんです~、禁欲が厳重~~に蓋をした中に、柔らかい温かい色香が眠ってる、
それに唯一人、義兄だけが(好き放題?)アクセス出来るっていう桃源郷に、
めっちゃめちゃに惹かれるんですよねぇ~~。ああ、たまらん。
……なになに? もうちょっと間口広げて、会員ナンバー1桁くらい迄は入れてやれ?(爆)

私も、真冬の殺風景なビルの屋上での張り込みでも、主任と一緒なら耐えてみせます!
でもお向かいの風俗店の出入りより、隣の主任にカメラ向けてて一発でクビだなぁ(^_^;)
何買うんですか? ええっ、意外とツナマヨとかカルビとか、若者ネタ行きます?
なんちゃってぇ。嘘だ。きっとオーソドックスな梅干しか鮭か昆布だ(決めつけるなよ…)
……いっか~ん、妄想超特急が止まらない~~(^▽^;)

マタさんが、眠りこけてる主任を足下にして、こんなに大人しいなんて、
断じて嘘じゃ~~ん! 
マジックでほっぺに髭書いたり、歯磨き粉にカラシ入れたり、替えの靴下の履き口を縫い閉じたり、
きっとイタズラしまくるじゃ~んv(小学生かよ…、つか、やりそうなの俺だよな…)

武道場ひとつでこれだけ萌えられる、私ってホントに安上がりですなー。
首がキリンさんになってる『新冷血』単行本が来たら、向こう数年は遊べそうだ。

今年もほんっっとにご贔屓に、遊びにいらしてくださいやし、姐御!!!
頼りにしまくってますから(>_<)
by げこ (2012-01-13 11:13) 

青子

「行くぞ、お蘭!」「はいっ、主任」
一回くらい、聞きたかったな~。
主任が「殿」でもいいけどな~~~っ^^
・・・雄一郎、激怒だよな~・・・(怖ーーーっ)

疲れ果てて、青白い顔で眠る主任を見つめるお蘭。
熱狂的な合田信者。切ないなぁ。
仕事以外で部下にこんな思いさせて。本人は自覚なし><
ホントにとんでもない上司だ・・・でも好きっ^^

合田語り、大変興味深いです!
又三郎はもちろん、ペコさんでも読んでみたいなぁ^^
ペコさんと雄一郎の主任コンビ、好きなので。

「地検源氏」ナイスです^^










by 青子 (2012-01-13 15:35) 

げこ

今日は、青子さまにまでお目もじ叶うとは♪
ようやくの春や~~~(*´∀`*)

「はいっ、殿」(七係全員のコーラス。何故かペコさんまで混ざってる。自分も主任やろ!)
「誰がバカ殿かーーーっ!!!」
……って移動動物園の息ピッタリな台本不要の集団陰険漫才、見たいですよねぇ(笑)

自覚無しの一課自慢のクールビューティ(だけど刀剣法違反のオオタカの剱岳)
どんな煉獄を味わっても構わないから、部下になりたいような。
あのおっそろしい視界には、金輪際寄りつきたくないような。フクザツ(^_^;)
一生覚えていてくれるなら、凶弾に身をさらして代わりに殉職してもいいわぁv って気もする!

又さんなら何とか捏造できないかなぁ。(ちょっとナマグサいところが突破口?)
でも、ペコさんは無理だぁ!!! 東大卒なんて頭脳が何を考えるのか、SFよか想像つかん。
……というわけで、喜代子さんが捏造に面影以外で登場することも、恐らくはないな!(爆)

「地検源氏」イイですよね(^m^) 
ホントは「特捜源氏」と行きたいところ、語呂で「地検源氏」にしちゃったんですが。

強制捜査の例の行列がテレビの放列に囲まれたら、ゼッタイ義兄、アップ独り占めでっせ!
茶の間の奥さま、総倒れ。(毒ある本性も知らないで…^_^;)
大●製紙のガサ入れで何度か映りましたけど、特捜検事の中に、
ワイシャツの襟を後ろ髪が覆うような茶髪の男性がいてビックリしました。
時代ですかねぇ。

またお気軽にいらしてくださいねv 
お茶はぜんぜん出て来ない怪しいサロンで、お待ちしていま~す(^人^)
by げこ (2012-01-13 16:01) 

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